社風・働きがい

M&A仲介業界自体が過渡期にあるなかで、コンサルタントに求められるものとは?たすきコンサルティング 大阪支店長の答え

誠実さと高度なテクニックで顧客によりそうM&Aを実施している株式会社たすきコンサルティング。
順調に規模を拡大しているたすきコンサルティングでは、2024年夏に初めての地方拠点・大阪支店を立ち上げました。支店長に就任したのは豊富な実績を持つ企業提携第二部 大阪支店長の白井 智嗣さんです。複数のM&A仲介会社を渡り歩いてきた白井さんは、今後会社の成長には何が必要だと考えているのでしょう。お話をうかがいました。

白井 智嗣さん
新卒で銀行勤務、その後大手M&A仲介業者に入社。西日本全域を主な活動拠点とし、様々なスキーム立案による解決を行う。入社以来5年連続営業目標達成。その後別のM&A事業者に転職し、西日本を管轄。2022年には営業成績優秀者で表彰。全国でメインスピーカーとしてセミナー・講演も数多く実施。50件以上に及ぶM&Aの成約に携わる。2024年より、株式会社たすきコンサルティングに入社。

業界への知識を深めることが、成約につながっていた

――現在の業務内容について教えてください。

2024年7月にたすきコンサルティングに入社し、現在は大阪支店で統括をしています。2015年にM&A仲介業に携わりはじめ、今まで成約させた案件は30件ほど、後輩のサポートを含めると50件ほどの成約に携わりました。M&Aに関するセミナーや講演会に登壇することもあります。

――これまで手掛けた案件のうち、最も記憶に残っているものについて教えてください。

どの案件も忘れられないのですが、とくにM&A業界に入って最初に成約した案件が印象に残っています。譲渡企業は鉄骨の設計会社で、オーナーは70歳を超えていました。事業を続けるのに苦労して借金もかなり背負っていたのですが、最終的にはその状況を改善して無事M&Aが成立しました。成約できるかどうか最後までわからなかったので、成約式ではほっとしたことを覚えています。

また別の案件ですが、一見すると業績的にも売主の年齢的にもまだM&Aを検討する必要がなさそうな案件の仲介を手掛けたこともよく覚えています。よくよく話を聞いてみると売主が働き続けることに限界を感じていて、後継者もいませんでした。このようなケースもあるのだと学ばせていただきました。

――これまで多くの案件を成約させてきた理由をどのように分析していますか。

M&Aは成約するまでに半年から一年ほどかかります。その長い期間の中で、一つでも道を間違えてしまうと、成約に至りません。ときには知識不足が露呈して不信感を抱かれ、他の業者に乗り換えられてしまうこともあるんです。そのような形で案件を取りこぼすことがないよう、準備を怠らず、知識を積み重ね、信頼を勝ち取る努力をしています。対象企業の業界に興味を持つことはもちろん、業界ごとに法律ができた背景を調べたり、会計処理が変更になった理由を追求したりして念入りに調べることで広く深く知識を吸収するようにしています。

また、M&Aは進めていくうえでお客様から提示される要求のハードルが高すぎて、現実味がないこともあります。そのハードルをうやむやにしてM&Aを進行してしまうと、後で大きな問題になってしまいます。そのため言いにくいことであっても必要であれば「その要求は通りません」と早めにはっきりお伝えするようにしています。

お客様の不満・不安を汲み取り、言語化することで課題解決を進める

――M&A業界で働くやりがいについて教えてください。

やりがいは大きく分けて2つあります。1つ目は、売主の不安ごとを解消してお役に立てること。2つ目は、自分自身の能力がどんどん高まっていくことです。M&Aに携わっていると、営業面、財務面、会計面、法務面などにおいてあらゆる知識が蓄えられていきます。さらに、案件を重ねるごとに業種に対して詳しくなっていきます。知識がどんどん増えていくのは単純にとても楽しいことです。

――顧客の信頼を得るために何をしていますか。

多くのお客様が現状に不満を抱え不安を感じています。それをきちんと汲み取って改善策を提示するようにしています。お客様が悩みを言語化できていない場合もあるので「同じ業種のお客様はこのような不安を抱えているのですが、どうですか」とこちらから発信してみるんです。すると同じような不安を抱えているケースが多いので、話が盛り上がり心を開いてくださることがあります。

M&A業界は過渡期にある。変化に対応するためには知識の深堀りが不可欠

――M&A業界にどのような人材が求められていると感じていますか?

M&A業界はまさに過渡期で、今までの常識が非常識になっています。上場企業も増えましたが、市場には多数の規制が入るようになりました。そのため環境の変化に柔軟に対応できる人材が求められると思います。とはいえ、ここでいうところの変化とは解決の糸口があるものばかり。挑戦しがいがありますよ。

――今、M&A業界にはどのようなものごとが求められていると考えていますか?

各業界に詳しい仲介担当者の存在です。どの業界でも後継者不足という共通の課題があり、M&Aが必要な企業が多いものの、業界ごとに困りごとのポイントは異なるんです。たとえば、私がよく担当している運送業界や建設業界は人手不足が深刻な問題となっています。そのためその辺りを鑑みたアプローチが必要になります。

業界への理解を深めるために、私は業界新聞に毎日のように目を通し、その業界での直近のM&Aの成約事例を確認するようにしています。

――M&A仲介をするうえで大切だと考えていることを教えてください。

M&Aは正解が一つではありません。M&Aは譲渡・譲受の組み合わせ次第で、さまざまなシナジーを創出することが可能です。その可能性の多さを前に、どうすれば最も良い解をみつけられるのか、関係者は全員が非常に頭を悩ませます。しかし結局のところ選べる譲渡側が選べる選択はたったの一つ。この一つの選択をするために譲渡側がより良い判断を下せるように、私たちは適切な情報を提供し続ける必要があります。そのためにM&Aコンサルタントは日々の知識を積み重ね、過去の事例を頭に叩き込む必要があります。

――M&A業界の好きなところを教えてください。

お客様と深いお付き合いができることです。金融機関でも営業に携わっていましたが、M&A業界の営業ほど担当する期間が長くありませんでした。M&Aを成約させるには、半年から一年以上お客様とお付き合いすることになります。一緒に過ごしているうちにお客様とすごく仲良くなれますし、親身になってお客様のお困りごとに貢献できる。そこがM&A業界の魅力だと思います。

たすきコンサルティングは会社とともに成長したい方にすすめたい

――今後M&A業界で活躍できる人材はどのような方だと考えていますか?

前向きでひたむきに努力できる方だと思います。先般申し上げたように、M&Aコンサルタントは、担当する業界の専門知識や特性も把握する必要があります。さらに法律や会計などの幅広い知識を身につけなければなりません。もちろんお客様に寄り添って提案していくことも肝要なので、前向きな姿勢がなければ続けることは難しいでしょう。

――転職を検討している方に、たすきコンサルティングで働くことの魅力をどのように伝えたいですか?

たすきコンサルティングは中小規模の企業であるため、まだまだ自分たちで会社を成長させる余地があります。自分たちの手で会社を育てることができるというわけです。これは大手企業では経験できないこと。会社の成長を通じて、社員自身が一回り大きくなることができると思います。
フォローアップ体制が充実しているので、未経験であっても気概さえあれば頑張ることができる環境も非常に魅力的だと思います。

The Deals編集部

The Deals編集部

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