株式会社日本経営総合研究所は、合理的で効率的な活動ができる分業制を敷いています。営業部は、譲渡企業を顧客とする業界戦略一部と、譲受企業を顧客とする業界戦略二部に分かれており、互いに支援しあいながら業務を遂行しています。業界戦略二部 部長の原太平さんに、部署の特色や活躍できる人材像などをうかがいました。
原 太平(はら たいへい)
株式会社日本経営総合研究所 業界戦略二部 部長
早稲田大学国際教養学部卒業後、センサメーカーの株式会社キーエンスに入社し、名古屋・福岡営業所で5年間営業に従事。その後、大手M&Aブティックで主に譲受企業を担当。幅広い業界にわたる20社以上のM&A支援実績を持つ。現在は、譲受企業の課題と向き合う業界戦略二部の部長として、自身も営業活動に取り組みながらチームマネジメントに携わる。
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──原さんは営業力の高さや待遇の良さに定評のあるメーカーからM&A業界へ転職されました。理由を教えてください。
理由は大きく2つあります。1つは、営業として働いた分の対価がしっかりと得られる業界で働きたかったこと。お金がすべてではないですが、自分の努力に応じて評価される環境に身を置きたいと思っていました。もう1つは、同じ時間を使うならば、会社や社会に対してより大きなインパクトを与えられるような仕事をしたいと考えていたからです。
営業のプロ集団と言われる環境で鍛えられたことは、大きな糧になりました。しかし、営業には多様なアプローチがあります。さらなる実力を身につけたいと思い、幅広い営業スキルが求められるM&A業界を志しました。
──M&A業界で働くことにやりがいを感じていますか?
お客様の中には、事業承継に悩んでいる方や、今後の展開に行き詰まりを感じている方が多くいらっしゃいます。そうした方々に対して、自分たちのサービスで課題解決の手助けができたときや「ありがとう」と言っていただけたときは本当にうれしいです。とくに、後継者が不在の企業にM&Aという形で解決策を提示できたときにはやりがいを覚えます。
──業界戦略二部の営業組織としての特徴を教えてください。
日本経営総合研究所の営業組織は「業界戦略一部」と「業界戦略二部」に分かれています。業界戦略一部は、譲渡を検討されているお客様、つまり「売り手」に対応する営業部隊です。一方、私が所属する業界戦略二部は「買い手」となる譲受企業を担当する部門です。アプローチの方法やお客様の属性、ニーズ、対応する会社の規模や数など、根本的に異なる営業活動をしています。
──業界戦略二部の具体的な業務について教えてください。
現在、業界戦略二部には10名弱の社員が在籍しています。私たちは譲受企業のニーズをヒアリングし、それに応じた譲渡企業の探索・紹介を行うことが主な業務です。たとえば、将来的なグループ拡大や新しい領域への展開を見据えて、どういった企業を傘下に迎えたいかを綿密にうかがいます。そのうえで、該当しそうな譲渡企業に手紙や電話でアプローチをかけ、対面で面談を行い、戦略に合致する企業を紹介しています。
──譲渡側と譲受側で営業部門を分けていることのメリットは何ですか?
顧客目線を徹底するという日本経営総合研究所の理念を実現するうえで、譲渡企業と譲受企業の担当を分けることには大きな意味があります。例えば譲受企業に対しては、人材の補填や販路の拡大いった観点で、多角的な提案が必要になります。そのためにその企業に対する深い理解が不可欠です。専門チームが動くことで、譲渡企業に対して多様なオプションを提示することができ、結果として顧客満足度が高まるようになっているのです。
──業界戦略一部とはどのように連携しているのですか?
常に情報を共有し、協力しあっています。例えば業界戦略二部が把握した譲受企業のニーズは、業界戦略一部が企業を選定する際に大いに参考になりますし、その逆も然りです。どのような業界、エリア、規模の企業が求められているか、譲渡企業にはどのような強みや課題があるのかを対面で話し、密な協力関係を築いています。
──コミュニケーションは対面で行うことが多いのですか?
電話や社内チャットも活用しますが、私たちは対面でのコミュニケーションを重視しています。できる限りオフィスで顔を合わせて「最近こんな案件があって」「どういう進め方が良いか」などを直接話し合うようにしているのです。声のトーンや表情、言葉に表れない微妙なニュアンスなど非言語的な情報も含めて、正確に状況把握をすることで、詳細な意見交換をすることができます。
対面でのコミュニケーションを重視することは、社内だけでなく、社外のお客様に対しても同様です。
──業界戦略二部の仕事の面白さについて教えてください。
業界戦略二部の仕事は、譲受企業様と非常に長期的なお付き合いをすることが前提となります。一度の紹介や成約で終わるのではなく、信頼を得ることで「こういうニーズもあるんだけど」と新たなご相談をいただくことができます。その積み重ねによって顧客企業の成長を促進し、長いスパンで伴走できる点に面白みを感じています。
──業界戦略二部で共有している価値観や行動指針はありますか?
業界戦略二部に限らず日本経営総合研究所は「徹底した顧客目線」を持つことを重要視しています。常にお客様に誠実な対応を行えるよう声をかけあっているのです。そしてもう1つは「チームで動く」こと。1人の担当者の視点だけでなく、複数の視点を掛け合わせて最適な提案を導くことを目指しています。
──チームマネジメントにおいて意識されていることはありますか?
ありきたりかもしれませんが、やはり「コミュニケーション」です。人によっては「今は声をかけないでほしい」と感じるタイミングもありますが、適切な場面を見極めて、なるべくメンバーが問題を一人で抱え込まないようにすることを心がけています。
──どのようなときに仕事に喜びを覚えますか?
プレイヤーとしては、やはり成約の瞬間です。譲渡企業様と譲受企業様が未来に向けて手を組む場面に立ち会えるのはこの仕事ならではの魅力です。マネジメントの立場では、未経験から入社したメンバーが初めてキーマンと接点を持てたときや、自分一人で企業概要説明ができるようになった時など、成長を実感した場面に喜びを覚えます。
──業界戦略二部ではどのような人が活躍されていますか?
譲受企業のニーズを把握することが前提にあるので「聞き上手」であることが非常に大切です。さらに、ヒアリングした内容をもとに適切な提案ができる「提案力」も重要な要素です。適切な情報を、適切なタイミングで、適切な人に伝える判断力が問われる仕事です。
──採用時に重視している点を教えてください。
業界戦略二部として採用するという前提はないので、譲渡企業側へ営業する可能性も含めて人材を見ています。そのうえで重視しているのは、ポジティブな性格であること、そしてしっかりとしたコミュニケーションができることです。加えて、相手が経営層であることが多いため、頭の回転の速さや会話の質も重要視しています。
──M&Aの専門知識に関して、未経験者へのフォロー体制はありますか?
もちろんです。最初は誰もが知識不足の状態でスタートしますが、日本経営総合研究所には法律や財務、外資系コンサル出身者など多様な背景を持つメンバーが在籍しており、それぞれが持つ知見をチームで補完し合う文化があります。自分に足りない知識は、直接聞きに行ける環境が整っているので、働きながら成長していくことが可能です。
──どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?
前向きで、謙虚さを持ちながらも自信があり、成長意欲のある方と一緒に働きたいと思っています。M&A業界には独特の難しさがありますが、それを乗り越えるエネルギーを持った方となら、良いチームを作れると信じています。
──応募を検討している方に向けたメッセージをお願いします。
私自身、この会社に転職してきたことを100%の気持ちで「良かった」と思っています。難しい局面や歯を食いしばって頑張らなければならない時期もありますが、それ以上に喜びややりがいが大きく、社会に貢献している実感が持てるからです。もし、今の仕事に少しでも物足りなさを感じていたり、社会に対してもっと強いインパクトを与えたいと思ったりしたことがある方は、ぜひ応募してみてください。
──最後に、今後の展望についてお聞かせください。
今後も、譲受企業に対する理解をさらに深め、より本質的なニーズを捉えられる営業チームをつくっていきたいと考えています。譲渡企業と譲受企業の双方が納得できるM&Aを実現するためには、私たちの提案の質を磨き続ける必要があります。個人としてもチームとしても、日々の情報収集や対話の量を大切にしながら、誠実に向き合っていきたいと思っています。
The Deals編集部
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